服部 智子

コンサルタントとして大きなプロジェクトに携わりたいと考え、転職を決意

前職では約8年間、途上国での工業団地や産業開発を手がける開発コンサルティング会社に勤務していました。しかし、小規模な会社で実際の案件に従事できる機会が少なかったため、大きなプロジェクトを数多く経験したいと思い、2017年にOC Globalへ転職しました。入社後は、OC Globalが得意とする都市地域開発計画や鉄道・交通関係のプロジェクトに関わる中で環境社会配慮のコンサルティング経験を積み、そこから派生して、民間企業の事業支援にも携わるようになりました。
現在は、ウガンダの都市開発のマスタープラン、バングラディシュの鉄道事業、インドネシアの水産業の事業化調査、ラオスの農作物輸出事業化などのプロジェクトに携わっています。国も分野もまちまちですが、私が見る視点は同じ。そのプロジェクトが現地の環境や人々の生活、社会に及ぼすインパクトを調査・評価し、予測される悪影響を回避あるいは最小化するための対策を考え、提案することが仕事です。
 

日々の業務を通じ実践的に専門性を身につけていけることが、大きな魅力

環境社会配慮は近年、プロジェクトにおける重要性が非常に高まっています。以前は、計画が決まった後で環境や社会に対するインパクトの評価を行う「環境アセスメント(Environmental Impact Assessment:EIA)」が主流でしたが、今は「戦略的環境アセスメント(Strategic Environmental Assessment: SEA)」を導入するプロジェクトが増えています。SEAとは、計画の策定段階で環境・社会への影響評価を行い、その評価を意思決定につなげていくものです。実際のプロジェクトを通してSEAという新しい分野に携わり、学びながら実践を重ね経験を積んでいけたことが、自分にとって大きな収穫だと感じています。企業においてもSDGsやESG投資が注目される中、環境社会配慮という自分の専門性を、民間の事業支援にも生かしていきたいと考えています。
OC Globalには、社内の勉強会をはじめ、社員のスキルアップや自己成長を支援する様々な制度がありますが、日々の業務を通して新しい知識や能力を身につけ、自分の専門性を高めていけることが、大きな魅力だと思います。
 

仕事で大切にしているのは、チームワークとコミュニケーション

コロナ禍が落ち着いて以降は、年の半分以上は海外に出張しています。国内と海外で1日の仕事の流れは違いますが、海外出張時は現地調査と状況確認、現地クライアントとの会議、住民へのヒアリングなどの調査活動がメインです。日本にいる時は、現地の関係者とのオンライン会議や調査レポートの作成などを行います。
私が仕事をする上で大事にしているのは、チームワークとコミュニケーションです。どの案件でもそうですが、様々な分野の専門家が集まってチームを組み、プロジェクトを進めていくので、いいチームプレイができるかが、個人の能力以上に重要です。自分の専門性をチームの皆さんと共有しながら、課題解決へつなげていくには、コミュニケーションが欠かせません。こちらの考えがクライアントや現地の人たちにうまく伝わらなかったり、リクエストした情報がなかなか出てこなかったりと、コミュニケーションの面で大変な思いをすることは多いです。けれども、チーム内外の人たちや現地の人々と話し合いを重ね、どうやってプロジェクトを実現していくかをみんなで考え、方向性を探る作業を通じて合意形成ができたとき、やりがいを感じます。
私が現在、課長を務めるストラテジックソリューション部は、民間企業の開発事業を支援する部署です。これまでODAなど政府・国際機関の大型プロジェクトを多く手がけてきた当社にとっては、新しい分野への挑戦となります。新規事業に自分の専門性をうまくつなげ、プラスアルファの付加価値をつけた事業として展開していくことが、今後の目標です。
 

エンジニアだけでなく、人文・社会系の人も活躍できる

開発コンサルタントの仕事というと、技術者のイメージが強いかもしれませんが、理系ではない人文・社会系の人も、プロジェクトに入って活躍できる場はたくさんあります。私は大学で国際関係学を、大学院では農村開発を専攻し、この業界に入った当初は自分がどんな立場で貢献できるのか、明確には見えていませんでした。けれども、様々なプロジェクトに従事する中で「環境社会配慮」という自分の分野を見つけ、実践と経験を通して専門性を磨いていくことができました。入社後、実際にプロジェクトに携わる中で、自分がどんな分野に関心があるか、探りながら方向性を決めていくという進み方でもいいと思います。ですから、まだ専門が固まっていなくても、この仕事に興味があるという人は、ぜひチャレンジしていただきたいと思います。